第一回河合塾 京大オープン(05-8-28)→22位A判定に苦笑い。

夏休みの締め括りとして、河合塾とZ会共催の「京大オープン模試」に挑戦しました。駿台の京大実戦模試から僅か二週間しか経っていないので、あれから学力が伸びたとは、とても言えない状態で臨まざるを得なかったのですが、兎に角「場慣れ」することが大切だと思っていました。
「数学は駿台よりも解きやすかったから点もいいだろうが、英語は同じレベルで、現代文も自分のレベルは相変わらず低いながらも、前回より10点程はましかもしれない、 しかし物理はやっぱり解けなかった。前回より更に点は悪いかもしれない、化学は得意科目なのかもしれない、前と同じくらいを維持できた!」という感想でした。
結果は、数学172点、英語70点、現代文29点、物理25点、化学60点、合計356点。順位はなんと22位でした。たったこの程度の点で22位なのか? トップは息子より総合点で150点近くも上ながら、順位で見る限りは、この程度の点でも22位なんだな...と、息子も結果に苦笑いしていました。
案外京大と雖も、上位陣はさすがにズバ抜けて凄い連中がいるが、下位陣はそれほど凄い生徒はいないというか、この程度なのかもしれないと、調子に乗って生意気な事を言っていた。後で分かったことですが、まだこの時期に京大模試を受ける生徒でも、成績がよければ東大理科三類を受けるような者も少しはいたようです。京大模試の理学部志望者の中でトップクラスだった者が、大学入学後の合格者名簿にないと思っていたら、書店に売っていた或る本の中で、「東大理科三類を受験して合格していた」という例がいくつかありましたから。
第二回河合塾 京大オープン(05-11-6)→29位A判定に自信深める。

学校の授業が始まり、九月・十月は通常の勉強に切り替わったので、センター試験模試があったり、学校の通常考査があったり、実力テストがあったりと、京大二次試験入試に特化した勉強に専念できた訳ではありませんでした。八月に前後二回受けた「京大模試」の結果も分かり、さあこの回からは京大模試のレベルも違ってくるだろう...という焦りも少しあったのかもしれません。夏から秋にかけてグーンと力が付いてくる生徒は多いですから。これからが本当の勝負に違いない...と思ってました。油断せず、気持ちを引き締めて行くことがこの時期は大切です。
「数学は前回ほどはうまくは行かなかった。英語は相変わらず良くもなく悪くもなくで変化なし。現代文はちょっとましになったか? 今回の物理は今までになくそこそこ解けた。その代わり得意な化学は物理より難しく解けなかった!」という試験後の感想でした。
結果は、数学143点、英語71点、現代文35点、物理65点、化学53点、合計367点で総合29位。これまで都合三回の京大模試を受けてきて、息子も自分の実力や位置が大体分かってきた。結構上位にくい込んでいるのではないか? という「自信と安心感」をやっと持てたようでした。

第二回駿台 京大実戦模試(05-11-23)→68位A判定ながらも落ち込む。

今までの模試成績が良かったことで油断した訳ではないが、数学は今までにないミスをしたようで、「半分程度しかないのでは?」と青ざめていた。英語は相変わらず良く悪くもなくで変化なし。現代文も良くも悪くもなく、化学はましだったものの、物理はまたも解けなかったようです。
結果は、数学はなんと110点、英語72点、現代文33点、物理27点、化学69点、合計311点で総合68位。過去三回の模試で「そこそこ行ける!」という自信を掴んでいましたが、今回は今迄で最悪の結果となり、完璧に打ちのめされた感じでした。一番結果を出さなければならない時期の模試だけに、息子自身ショックは隠せないようでした。特に数学がこの体たらくでは目も当てられません。
後で数学の答案の復習をしていた時に、アルバイトによる採点がかなりいい加減で、部分点なしは余りにも厳し過ぎたのでは? と文句を言っていましたが、負け惜しみにしか聞こえませんでした。物理の成績もそれ程伸びていないし、英語と国語も低いレベルのままであまり進展もなく、「こんなに悪い点でも順位は68位なのか?」 模試と実際の二次試験との落差は、一体どれ位あるのか知りたかったのですが、当時は知る由もなく、唯ひたすら合否のシミュレーションをする毎日でした。

京大の二次試験本番のシミュレーションをしてみました。

■数学は六問中三完、三半でも145点前後はとれる筈...これを四完半にできたら170点前後にまで高められます。得意の数学で160〜170点位は最低でも取らないと合格は無理。(実際入試は200点でした)
■英語は150点中70点と約47%前後しか取れず、なかなか模試の成績は伸びず、本番の入試では、予備校 の講師の話によると、採点がやや甘くなるとも言い、80点くらいまでは伸ばせるかもしれません。しかし

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せいぜいその程度でしょう。(実際入試もその予想通りで79点でした)
■物理・化学の目標を65点・75点と仮定すると、合計で140点になります。最低でも55点・65点で120点を死守したいところ。(実際入試は非常に難しかったようで、114点しか取れませんでした)
■国語は対策をほとんどやらず、途中で投げ出した古文を捨て、常識で解けそうな現代文二問に絞り、なんとか部分点を稼ぐことで、35点前後取れればそれで十分か?(実際の入試は64点でした)
京大入試初日の国語と数学で200点以上(実際は264点)、二日目の英語と理科で200点以上(実際は193点)取れれば、合計400点(実際は457点)でまず合格圏に入るのでは? と当時はシミュレーションしました。大手予備校主催の京大模試の採点よりも、当日本番入試の採点の方が、かなり「甘い」という情報もあります。一日200点獲得という計算ができれば、三月一日の高校卒業式を、笑顔で迎えられるのですが...いくら模試の結果がよくても、当日の体調次第では、どんな結果になるか分からない怖さがあります。模試の結果が悪かったら尚のこと心配になりますが、不得意分野を更に復習しておくしかないでしょう。息子も、模試の結果云々より「何よりも徹底した復習が大事」なことは分かっていたようですから、一応安心しました。
京大理学部は、某予備校によると前期はセンター試験で88%、偏差値67が合格ラインですが、後期はセンター試験79%、偏差値66が合格ラインとなっています。後期は前期で落ちた生徒が集中しますから、数学と理科が抜群の生徒だけが合格するのでしょう。(07年度からは後期入試は廃止)センター試験の獲得率では東大に僅かに及びませんが、二次試験の偏差値では、東大理科一類や二類より、京大理学部の方が、06年度に関して言えば難易度が上なのは、ちょっと意外でした。
大手前理数科で、実力トップ10の位置にいれば、国公立大医学部クラス〜京大(医学部以外)クラスまでなら余裕で合格できると過去実績から予想できます。学年で10〜30位クラスでも、強気の生徒が多いのが理数科の特徴みたいです。結構強気で、実力以上の大学や学部を受験する生徒が多いようですが、ひょっとしたら予備校でそのように指導されているのかもしれません。

第二回駿台 センター試験模試(05-12-18)

「センター試験模試は受けたくない!」と、頑なに言い張っていた息子でしたが、直前に一回位は受けておけと、うるさい位説得し、12月にあった模試を無理矢理受けさせました。数学は数1Aも数2Bも両方満点、英語は178点、リスニング40点、現代文満点、古典66点、物理71点、化学84点、地理Bは47点、合計786点、900点換算では742点、獲得率82.5%。現代文が満点というのは驚きでした。何も対策はやっていなかったのに...。「二次の問題のように裏の裏を勘ぐらず、素直に直感を信じて解答した方が、センター試験問題の現代文は良い結果が出た!」と言っておりました。
そのかわり肝腎な物理は伸びていないし、地理Bは過去最低の点でした。何かが良ければ何かが悪い。京大理学部合格者のセンター試験獲得平均は88%と言われていましたが、息子はこの時点までセンター試験の獲得率は、平均で81%程度しかありませんでした。息子はあまり気にしていなかったようですが、センター試験をあまりなめていると、いつか痛い目に遭うのではないかという不安はずっとありました。

高三の冬休みに、赤本で過去問題のノルマを達成。

冬休み中に、「数学は京大の過去問題二十五年分約百五十問を、英語は十五年分を、物理と化学は八年分の問題を解く」というノルマを自らに課し、取り組んだようです。それと同時に京大模試四回分の答案の、一からの見直しと復習を徹底してやったようです。
冬休み中に必死に過去問題と取り組んで、充実した受験勉強ができたようで、休日に読書をしてくつろいでいた私の所に、鬼の首をとったように喜び勇んでやってきて、「数学、英語、物理、化学に関しては、過去問題をこれだけ遡って解いた!」と、興奮気味に報告しに来た。やるべき時は確実にやるのが息子の良いところと言えます。やらない時はどんなに忠告しても、絶対やろうとしない怠け者でしたが...。
センター試験対策はほとんどしていなかったので、「センター試験当日までの二週間、二次試験対策とセンター試験対策を、二対一でやっていく積もりだ!」と、その時言っていました。
捕らぬ狸の皮算用みたいでしたが、息子と大学合格後の話を、その時少ししました。家を出て一人暮らしをする為の具体的な検討です。本人もちょっと不安そうでしたが、「家を出てみたい!」とも言ってました。大学の寮へ応募しても、地方出身者優先でしょうから、大阪在住では駄目かもしれません。かといって民間の下宿やワンルームマンションだと家賃が高いでしょうし、いろいろ経済的な問題という障壁があります。一番費用のかからない方向で進めるしかありません。
娘は息子が出て行ってくれるものと信じて、ずっと我慢をしてきました。まだ暫く息子が出ていかないのなら、物置となっていた六畳の和室を、娘用の部屋に改造してやらねばならないかも。息子自身が生活態度を改めなければ、このまま家には居られぬことを念を押して説明しました。

センター試験対策もやり始めるが、肝腎なのは二次試験。

冬休みも漸く終わり、学校の授業がこれから始まるというのに、朝までずっと寝られなかったらしく、昼と夜が逆転している悪い生活パターンになっていました。体中が痛かったらしい。学校ではセンター試験に向けての最終調整で、センター試験対策の模試を二回程やりました。本番よりも模試の問題の方が難しいようで、何度やっても総合点では82%前後しか取れなかったようです。京大合格者の平均とされていた88%には、まだこの時点でも程遠かった訳です。
息子によると、河合塾の模試問題の解説はあまり詳しくないが、駿台の解説は分かりやすいらしい。模試の場合、アルバイト学生が機械的に採点していることもあり、かなりアバウトな時があります。本番の数学で満点をとった息子も、十一月最後の河合塾京大模試では、110点と散々な出来だったのです。模試結果が良かったからと言って決して調子に乗らず、たとえ悪かったとしても答案をじっくり見直して復習を徹底し、あまり腐らずに地道に力を蓄えていくしかないのです。何と言っても、最後には「三年間の積み重ね」がモノを言うのですから。
「高二修了時までに、数学と英語を大学合格レベルにまで持っていく!」ことを目標にやってきましたが、実際、数学と英語は高三の夏休み前頃までかかってしまい、物理・化学も高三の初めからやる予定でしたが、結局夏休み頃から始めざるを得なかったのです。秋頃はさすがに理科の仕上がりが遅く焦っていたようですが、最終的には入試で60%弱までとれるレベルに持っていけた訳なので、公立高校の現役生でも、そんなペースでも何とかギリギリ間に合うのかもしれません。結果的にそうだっただけで、やはり早めに仕上げるに越したことはないと思いますが。
息子も「数学と英語の二教科さえきっちり取り組んでいれば、後の教科は学校でやるペースについていくだけでいい!」と、開き直っていたところが確かにありました。あれこれやらねばならないことは多いけれど、なかなか現実には全てを完璧にはこなせないものですから。Z会も結局高校三年間通じてやれたのは英語と数学のみ。核となる教科を先ず確実に固めることが大切なのかもしれません。
国語も高一時代に添削をやってはいたものの、途中までしか続かず、高二ではやらなくなりました。あまりに難しかったので、やる気が起きなくなったと言います。国語は、ハイレベルクラスからスタンダードクラスに変えましたが、そんなに結果は変わらなかったといいます。
高三から再び国語をやり始めるつもりでしたが、問題のあまりの難しさに、またやる気を削がれたようで、受験対策らしいことは、あまりできなかったにも関わらず、結果的には、センター試験では82%取り、二第五章 孤立を更に深め、精神疾患とも闘わねばならぬ煩悶の高三時代
次試験でも64%取れたのですから、学校の定期考査や実力考査などを中心に、ある程度真剣に取り組むだけで、とりあえずはいいのかもしれません。手を広げ過ぎずに、与えられた試験に確実に取り組み、復習を怠らないことが、実力をつけるポイントなのでしょう。兎に角「復習が何よりも一番大事だ!」と息子も強調していました。
理科も学校の授業や演習程度で、高三夏休み頃から本格的に取組み始めたペースですが、さすがに最後まで苦しめられた教科です。京大を受験するなら、やはりもっと早くから始めた方がいいでしょう。でないと、秋以降で焦り苦しむことになりますから。さすがに息子も秋には焦って、Z会の短期集中教科別講座を取って、何とか穴埋めをしようと悪あがきした位ですから。
息子は、社会対策はほとんど何もやってこなかった訳で、学校の定期考査でも実力テストでも、常に60%〜70%しか取れず、この教科に時間を割いたところで「時間対効果は薄い!」と感じていたようです。「社会はほとんど何もやらなくても60%は常識と勘で解ける。それを90%に持っていくにはかなり時間をかける必要がある。しかしその社会にかける時間をもっと他の教科に使う方が、総合的に見れば、余程意味があるのではないか!」という考え方を最後まで貫いていました。
十二月のセンター模試の地理47点はちょっと酷かったですが。本人はあまり気にしていなかったようです。社会はセンター試験しかありませんので、最高でも70%取れたらいいと割り切っていたようです。その代わり、数学・物理・化学・英語の四教科では、絶対に95%位は最低でも取るレベルを自分に課していました。
教 科毎にかける時間にメリハリをつければいいのです。理系なら数学と英語はやらざるを得ない訳ですし、理科もできるだけ早い時期に仕上げられれば、後々苦労せずに済みます。
受験とは、「三年間走り続けるマラソン」のようなものかもしれません。どんなにゆっくりしたペースでも、休まず確実に歩を進めて行けばゴールは近くなりますし、かなりのハイペースで一時期走っていても、途中でサボったり、やる気をなくして全く走らなくなれば、次々と後続に抜かれてしまい、手遅れになります。ウサギのスピードにならなくてもいい、亀のスピードでも、毎日確実に歩を進めていくことが大切なのだと思います。(それがなかなかできないのでしょうが...)

二次試験対策をやっていれば、センター試験問題が解ける訳ではない

特に国語の場合にこの事が言えます。京大の二次試験のように、完全記述式で難解且つ捻ったような問題ばかり解いていると、どんな問題も、裏の裏を読もうと詮索したり、正解と思う答えも「引っ掛け」ではないかと変に勘ぐってしまうようになり、センター試験模試の国語では結構「深読みし過ぎて失敗」していました。ある時から、「あまり深く考えずに直感でこれだ! と思う答えを素直に書くようになったら、得点がアップした!」と言ってました。
センター試験にしろ、二次試験にしろ、問題の傾向をしっかり把握する「訓練」が必要なのでしょう。センター用の問題と二次試験用の問題は全く違う教科と割り切った対策が必要みたいです。やはり赤本で過去問題を、まとめて何年分か通して解くことで傾向が掴めるのでしょう。

京大理学部の入試について

大半の国公立大学は、センター試験の点数を二次試験に加算した総合点で合否を決めますが、京大理学部の前期課程は唯一の例外で、足切り(900点満点で600点以上なければ不合格)にだけ利用し、点数に加えません。二次試験の点数だけでほぼ合否が決まるのです。
息子が京大理学部を志望した理由のひとつは、この「センター試験の点数を加算しない」というのが気に入ったからです。高校入試の時に中学時代の内申点の悪さで、危うく落ちるところだったというトラウマがあり、センター試験を「高校時代の内申点」と捉えている面がありました。
五教科七科目という多くの教科で、できるだけ高いポイントを上げないといけないというのが、教科による好き嫌いの多い息子は嫌ったのです。実際のセンター試験は90%弱とれたのですが、それまでの模擬試験では大体80%〜84%程度しかとれなかったので、京大合格者平均と言われる88%には程遠かった訳で、二次試験教科だけの実力一本勝負の方が息子には合っていたのでしょう。
そして二次試験は、嫌いな社会なしの、国語100点、英語150点、数学200点、理科二教科選択で200点の合計650点満点です。過去六年間の合格最低点の平均は大体353点位。800人近くが受験して前期課程で280人が合格、あと31人が後期課程での合格となります。07年度からは後期課程がなくなり一本化されます。
一方、東大理科一類・二類の入試は、センター試験は110点に換算し、二次試験が440点で合計550点で合否が決まります。しかし大半の生徒はセンター試験は90%以上当然のように得点しますので、センター試

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験ではあまり差がつかず、やはり東大も「二次試験の出来次第でほぼ合否が決まる」と言えます。その二次試験の難易度で言うと、東大は偏差値66に対し、京大は67と、偏差値では東大より京大の方がランクは上になっていました。(これは年度によっても、予備校によっても微妙に変わりますが、サンデー毎日と代々木ゼミナールの06年度の資料では、その数値になっていました)
07年度はまた難易度が変化し、京大は偏差値66とワンポイント落とし、東大理科一類・二類は68〜70と2〜4ポイントも上げています。(サンデー毎日06年10月号より)一年でこれ程難易度が変化するのは一体何なんでしょうか?
二次試験問題の傾向も、東大と京大とでは数学や理科に関しては、それ程の差はないのでしょうが、国語(現代文)や英語ではかなり設問の傾向に違いがあるようで、どちらの設問の方が自分にとってより得点できる問題かを見極めて、傾向を知っておく必要があります。
京大の英語は、英文解釈と和文英訳のみと例年決まっており、東大のようにバラエティ豊かで幅広い設問はありません。国語も京大は論理よりも情緒に訴える文章による設問が多いとされており、作者の情や心を理解していなければ答えにくいという傾向が一般にあると言われてきましたが、一方東大は徹底した論理的な思考で解答が求められる設問というように、出題者の意図するものにかなり差があるようです。元々官僚を養成する国家機関としての大学だった東大と、その東大に対抗するように自由に学問をしたい学生の為の大学...という位置付けで生まれた京大との違いが、長い年月を経ても、入試の設問に明確な違いとして出てくるのでしょう。

天王寺&大手前の理数科と、北野高校を比較検証すると

天王寺理数科も大手前理数科も、普通科を含めた高校全体で見ると、北野を100%としたら、それぞれ69%、59%と、進学実績では遥かにランクは落ちてしまいますが、理数科のみの進学実績を単独で比較してみると、天王寺理数科も大手前理数科も一気に北野よりもランクアップします。
総数で見れば、生徒数で理数科80人と北野普通科320人では四倍も違うので、優秀な生徒の絶対数で比較する限り、天王寺や大手前の理数科より北野の方が圧倒的に有利になるのは当然です。しかし理数科生徒数を四倍にして生徒数を北野と同じ条件にした比率で見ると逆に、理数科の方が極端に有利になります。
天王寺理数科+ 大手前理数科合計160人の、東大・京大・阪大・旧帝大・神大合格者数のポイント(ポイント計算=東大は0.9、京大は0.87、国公立大医学部医学科は0.88を、阪大と旧帝大は0.82、神大は0.75を、合格者数に掛けて出した合計)を二倍にして、320人換算にしたものと、北野の320人でのポイントを比較すると、160:118となり、約1.36倍の差になります。
天王寺や大手前の理数科であれ、北野普通科であれ、トップクラスのレベルはほぼ同じと考えるのが一番自然と言えます。はっきり言えば、下位クラスの生徒のレベルにより、高校全体の総合力ランクが左右されているとも言えます。
東大・京大・国公立大医学部医学科に合格した生徒の、生徒数全体に対する割合(過去四年間の平均、

 

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年度のみ現役数)で見ると、天王寺理数科は36.6%、大手前理数科は25.0%。一方、北野普通科(06年単年度のみ)は、現役・浪人含めて15.9%と、大きな開きが出ます。これに阪大や旧帝大+ 東京工業大や一橋大を含めると、天王寺理数科は現役のみで43%、大手前理数科は現役のみで45%、北野普通科は、現役と浪人含めて34%となり、天王寺や大手前の理数科の方が、北野よりも進学実績ランクは上と見ざるを得ない結果となります。 中学時代の03年度五ツ木模試での、北野高校志望者の平均偏差値が66に対し、天王寺理数科は71、大手前理数科は70だったのも、この結果を見れば頷けます。
高二の二月に実施された模試のランキングで、大手前高校の一位から四十二位に入った生徒の内、十七人が京大に進学しました。その内現役は十四人、浪人は三人でした。四十二位には入らなかった生徒でも、八人が京大に進学、内現役四人、浪人四人という結果。理数科に限定すると、現役で京大に十六名、浪人で七名が進学。普通科は現役二名、浪人一名(確認できた数のみ)
四十六位までの生徒の内、理数科生は三十三人、普通科生は十三人、理数科八十人、普通科
二百四十人の比率で見ると、理数科の四十%、普通科の五%の生徒がランクインしたことになります。大
手前高校トップクラス、四十六位内生徒の七十二%は、理数科生徒が占めたことになります。
読売ウイークリー07年四月号で、「大学合格力ランキング」というリストがありました。
大手前高校も、高校全体のポイントが掲載されていましたが、「理数科八十人」の生徒だけでポイント計算してみると、現役合格者数だけで見ても、一万二千ポイント、現役・浪人合わせた数だと、確認できた数だけでも一万五千ポイント弱になり、実績のある中高一貫進学高校・国立大附属高校などと、引け205第五章 孤立を更に深め、精神疾患とも闘わねばならぬ煩悶の高三時代
を取らない肩を並べるレベルにある結果となりました。
大手前高校も普通科+理数科合計三百二十人全体で見るのと、八十人の理数科生徒だけに限定して計算するのとでは、ポイントでは倍近い差が出ます。高校全体の数値では、大阪府立高校の中でも五番目か六番目位ですが、理数科生徒のみの数値で見る限り、天王寺高校理数科と並び、府立トップ高校の北野よりも、かなりランキングは上になるだけでなく、全国の錚々たる進学高校と遜色のないレベルにあることが分かります。

挿入図・表・目次
第五章 高三 十八歳人口・高校卒業者と大学進学率の推移 159
第五章 高三 大手前高校理数科 五期生〜十一期生 進学実績表 164
第五章 高三 大手前高校 02年〜06年度進学大学実績 165
第五章 高三 大手前高校三年時の成績 168
第五章 高三 大阪府立大手前高校全日制課程 理数科教育(五段階評定) 169
第五章 高三 河合塾京大オープン・駿台京大実践模試-結果分析(四回分) 178
第五章 高三 河合塾京大オープン・駿台京大実践模試-合格ラインシミュレーション 179
第五章 高三 京大理学部二次試験、合格ラインシミュレーショングラフ 180
第五章 高三 センター模試&京大模試 四回分の目標と実績+成績開示得点 181
第五章 高三 Z会 高校三年時受講教科と成績(三月〜十二月) 186
第五章 高三 駿台模試60%合格ラインで見る、難関大学理学部難易度(偏差値)の変遷196
第五章 高三 大学二次試験-入試難易ランキング(国立大理学部編) 197
第五章 高三 難易度でポイント化した 最強高校ランク(07年 読売ウイークリー四月二十二日号より) 198
第五章 高三 全国高校偏差値ランキング(07年データより) 199
第五章 高三 北野高校と、天王寺理数科・大手前理数科の進学実績を比較検証する 202
第五章 高三 06年度入試 主な大阪府立&国立附属高校の合格実績データ 203
第五章 高三 北野高校と、天王寺理数科・大手前理数科の偏差値予想グラフ 203
第五章 高三 息子の「強迫神経症」発病の推移(05年十月〜07年二月) 205

次へ⇒能ない鳶は能ある鷹をうめるかP207~P240 第六章

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