この公式のポイント
- p が素数ならap−1≡1(modp)
- a は p の倍数でないことが条件
- 証明は余りの並べかえか二項定理+帰納法
- 素数でないときはオイラーの定理

うかるくん
ap−1 を p でわると、どうしていつも余りが1になるの?
![合格先生]()
合格先生
a,2a,⋯,(p−1)a の余りは1から p−1 の並べかえだ。全部かけてくらべれば出るぞ。
フェルマーの小定理
フェルマーの小定理
p を素数、a を p の倍数でない整数とすると
ap−1≡1(modp)(ap−1−1 が p でわり切れる)。a が p の倍数のときもふくめて、どんな整数 a でも
ap≡a(modp)
ak を 7 でわった余り。a が 1〜6 のどれでも a6≡1(mod7)
17世紀フランスの数学者フェルマーが述べた定理で、有名な「フェルマーの最終定理(大定理)」とは別のものです。≡ は合同式の記号で、「p でわった余りが等しい」という意味です。
証明(2通り)
証明1:並べかえ
a は p の倍数でないとします。a, 2a, 3a, ⋯, (p−1)a を p でわった余りを考えます。
- どれも 0 ではありません(p は素数で、k も a も p の倍数でないから、ka も p の倍数でない)。
- どの2つも余りがちがいます。もし ia≡ja(1≤i<j≤p−1)なら、p が (j−i)a をわり切りますが、0<j−i<p で a も p の倍数でないので、素数 p はわり切れません。
- よって、余りは 1,2,⋯,p−1 を並べかえたものです。
全部かけると
a⋅2a⋅3a⋯(p−1)a≡1⋅2⋅3⋯(p−1)(modp),つまりap−1(p−1)!≡(p−1)!(modp)
(p−1)! は p と互いに素なので両辺をわってよく、ap−1≡1(modp) です。
p=7、a=3:3k を 7 でわった余りは 1〜6 の並べかえ
証明2:二項定理と数学的帰納法
まず、1≤k≤p−1 のとき pCk は p の倍数です。k⋅pCk=p⋅p−1Ck−1 で、右辺は p の倍数。k<p と p は互いに素なので、pCk が p の倍数になります。
次に、自然数 a について ap≡a を数学的帰納法で示します。a=1 では成り立ちます。a で成り立つとすると、二項定理より
(a+1)p=ap+k=1∑p−1pCkak+1≡ap+1≡a+1(modp)
となり a+1 でも成り立ちます。(0 や負の整数も、p の倍数を足して自然数にすれば同じです。)a が p の倍数でなければ、ap≡a の両辺を a でわって ap−1≡1 が出ます。
大学受験(数学A 整数の性質)での使い方
大学受験例題1(大きな累乗の余り)
3100 を
7 でわった余りを求めなさい。
解き方
7 は素数で 3 は 7 の倍数でないので、36≡1(mod7)。
100=6⋅16+4 より 3100=(36)16⋅34≡34=81≡4(mod7)。
答え 4
大学受験例題2(いつも倍数になる式)
すべての整数
n について、
n7−n は
42 の倍数であることを示しなさい。
解き方
42=2⋅3⋅7 なので、2, 3, 7 それぞれでわり切れることを示せばよい。
7:小定理 n7≡n(mod7)。3:小定理 n3≡n より n7=n3⋅n3⋅n≡n⋅n⋅n=n3≡n(mod3)。2:n7 と n は偶奇が同じ。
2, 3, 7 は互いに素なので、42 でわり切れる。
答え 示せた
大学受験例題3(1が並ぶ数)
111111 が
7 でわり切れることを、小定理を使って示しなさい。
解き方
111111=9106−1。小定理より 106≡1(mod7) なので、7 は 106−1=9×111111 をわり切る。
7 と 9 は互いに素なので、7 は 111111 をわり切る(実際 111111=7×15873)。
(71=0.1˙42857˙ の循環節が6けたなのも同じ理由。)
答え 示せた
高校の範囲をこえる内容と入試での使い方
- 範囲外の定理:高校の数学Aの整数では、約数・倍数、互除法、不定方程式などを学びます。フェルマーの小定理は教科書の本文の範囲外で、合同式も発展として扱われることが多い内容です。
- 答案では証明してから:「np−n は p の倍数であることを示せ」のように、小定理そのものが問われることがあります。そのときに「フェルマーの小定理より」と書いては答えになりません。証明2(pCk が p の倍数+帰納法)がそのまま答案になります。
- 余りの計算・検算に使う:「3100 を 7 でわった余り」のような問題では、答案では 31,32,⋯ の余りを順に調べて周期を示し、小定理は周期の見当づけ・検算に使うと安全です。
- 難関大の入試では、二項係数 pCk の性質や、べき乗の余りの周期の問題で、フェルマーの小定理が背景になっている問題があります。
よくある間違い
![腕でバツを作る合格先生]()
合格先生
p が素数でないと使えない。28 を9でわった余りは1でなく4だ。
- 素数でないのに使う:9 は素数でないので、28 を 9 でわった余りは 1 ではなく 4(256=9⋅28+4)。素数でないときはオイラーの定理を使います。
- a が p の倍数のときに ap−1≡1 とする:76≡0(mod7) です。成り立つのは ap≡a のほうだけ。
- 逆も正しいと思う:an−1≡1(modn) でも n が素数とは限りません。2340≡1(mod341) ですが、341=11×31 です。
練習問題
![○の札を持つうかるくん]()
うかるくん
まず周期を見つけて、指数をわってみよう!
- 大学受験 52026 を 13 でわった余りを求めなさい。
答えと解説を見る
512≡1、2026=12⋅168+10。52=25≡−1 なので 510=(52)5≡(−1)5=−1≡12。答え 12 - 大学受験 22026 を 11 でわった余りを求めなさい。
答えと解説を見る
210≡1(mod11)、2026=10⋅202+6。26=64=11⋅5+9。答え 9 - 大学受験 すべての整数 n について、n5−n は 30 の倍数であることを示しなさい。
答えと解説を見る
30=2⋅3⋅5。5:小定理 n5≡n。3:n3≡n より n5=n3⋅n2≡n3≡n。2:n5 と n は偶奇が同じ。2,3,5 は互いに素なので 30 の倍数
関連する公式
よくある質問
フェルマーの小定理とは何ですか?
pが素数で、aがpの倍数でないとき、a^(p−1)をpでわった余りが1になるという定理です。どんな整数aでも a^p≡a (mod p) が成り立ちます。
フェルマーの小定理はどうやって証明しますか?
a, 2a, …, (p−1)a をpでわった余りが1〜p−1の並べかえになることを使い、全部かけて (p−1)! でわります。二項定理と帰納法でも証明できます。
素数でないときにも使えますか?
使えません。2^8を9でわった余りは4です。素数でないときはオイラーの定理 a^φ(n)≡1 (mod n) を使います。
入試でフェルマーの小定理を使ってもいいですか?
教科書の範囲外なので、使うなら証明をつけるのが安全です。小定理そのものを示す問題では、引用せずに証明を書きましょう。
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出典・参考
- 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)」数学A(数学と人間の活動)
- 大学初年級の初等整数論(範囲外の発展内容)
最終更新:2026年10月11日/作成:大学受験合格大作戦