この公式のポイント
- 個を 個の箱に入れると2個以上の箱がある
- 証明は背理法(全部1個以下なら 個以下)
- 何を箱にするかが勝負(余り・領域)
- 一般形は切り上げ
うかるくん
鳩の巣原理って当たり前すぎて、どこで使うのかわからないよ。
合格先生
「必ず〜となる2つがある」を示すときだ。割った余りや図形の区切りを箱にするのがコツだぞ。
鳩の巣原理(部屋割り論法)
5羽の鳩が4つの巣に入れば、どこかの巣には2羽以上います。あたり前に見えるこの原理が、整数や図形の「必ず〜となるものが存在する」という証明で大活躍します。部屋割り論法、ディリクレの箱入れ原理(引き出し論法)ともいいます。
鳩の巣原理
基本形: 個のものを 個の箱に入れると、2個以上入っている箱が少なくとも1つある。
一般形: 個のものを 個の箱に入れると、 個以上入っている箱が少なくとも1つある。
( は 以上の最小の整数。例:)
証明(背理法)
基本形:どの箱にも1個以下しか入っていないと仮定します。すると全部で多くても 個。ところが実際は 個あるので矛盾。よって2個以上入っている箱があります。
一般形: とし、どの箱にも 個以下しか入っていないと仮定します。( は 以上の最小の整数だから)なので、全部で
個より少なくなり、 個あることに矛盾します。よって 個以上入っている箱があります。
使い方のコツ:問題の中から「何を箱にするか」を見つけるのが勝負です。整数なら割った余り、図形なら領域を分ける、が2大パターンです。
大学受験での使い方
例題1(余りを箱にする)
解き方
整数を4で割った余りは 0, 1, 2, 3 の4通り。これを4つの箱とします。
5個の整数を余りで箱に分けると、鳩の巣原理より、同じ箱に入る2数 があります。余りが等しいので は4の倍数です。
答え (証明終わり)
例題2(図形を分ける)
解き方
各辺の中点を結ぶと、1辺1の正三角形4つに分かれます(周もふくめて考えます)。これを4つの箱とすると、5点のうち2点は同じ小さい正三角形の周または内部に入ります。
1辺1の正三角形の周または内部の2点の距離は、1辺の長さ1以下です。
答え (証明終わり)
例題3(奇数の部分を箱にする)
解き方
どの整数も (、 は奇数)と表せます。1〜100 では は 1, 3, 5, …, 99 の50通り。 の値を箱とします。
51個の数を50個の箱に入れるので、同じ をもつ2数 と ()があります。このとき は の約数です。
答え (証明終わり)
高校の範囲をこえる内容と入試での使い方
教科書での位置:鳩の巣原理は、高校の教科書で「公式」として習うものではありません(発展・コラムで紹介されることはあります)。しかし考え方は背理法そのものなので、高校数学で完全に説明できます。大学では組合せ論(離散数学)の基本原理として学びます。
入試での使い方:
- 答案では「鳩の巣原理より」とだけ書かず、「箱は何で何個、入れるものは何個」をはっきり書きます。そうすれば、それ自体が証明になります。
- 難関大の入試では、「必ず〜となる2つが存在することを示せ」という整数・図形の問題で、この原理が背景になっているものがあります。
- 「存在する」ことは言えても、どれがそうなのかは教えてくれません。具体的に求める問題では別の方法が必要です。
よくある間違い

合格先生
一般形は切り上げだ。100個を7箱なら14ではなく、15個以上の箱があるんだぞ。
- ものの数と箱の数が同じで使う: 個を 個の箱に入れても、1個ずつ入るかもしれません。ものが箱より多いことが必要です。
- 一般形で切り捨てる:100個を7箱なら で、答えは14ではなく15個以上(切り上げ)。 個では足りないからです。
- 箱の分け方にもれや重なりがある:どのものも、どれか1つの箱に必ず入るように分けます。図形では境界の点も入るように「周をふくめて」考えます。
練習問題

合格先生
何を箱にするか、まずそれを決めよう。
- 大学受験 何人以上集まれば、生まれた月が同じ人が必ず2人以上いるといえますか。
答えと解説を見る
月は12通り(箱12個)。12人では全員ちがう月のこともあるが、13人なら必ず同じ月の2人がいる。答え:13人 - 大学受験 100個のボールを7つの箱に入れるとき、少なくとも何個入っている箱が必ずありますか。
答えと解説を見る
。各箱14個以下なら合計98個以下で足りないので、15個以上の箱がある。答え:15個 - 大学受験 個の整数 があります。この中から1個以上を選んで、その和を の倍数にできることを示しなさい(連続する番号から選べることも示す)。
答えと解説を見る
()を考える。どれかが の倍数なら終わり。そうでなければ、 個の を で割った余りは 1〜 の 通りなので、鳩の巣原理より余りが等しい ()がある。 は の倍数。
関連する公式
よくある質問
鳩の巣原理とは?
n+1個のものをn個の箱に入れると、2個以上入っている箱が少なくとも1つあるという原理です。部屋割り論法、ディリクレの箱入れ原理ともいいます。
鳩の巣原理の一般形は?
m個のものをn個の箱に入れると、m÷n を切り上げた個数以上入っている箱が少なくとも1つあります。
鳩の巣原理はどんな問題で使いますか?
「必ず〜となる2つが存在する」ことを示す問題です。整数では割った余り、図形では領域の分け方を箱にするのが典型です。
入試の答案で鳩の巣原理を使ってよいですか?
使えますが、何を箱にして箱が何個、入れるものが何個かをはっきり書くことが大切です。
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出典・参考
- 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)」数学A(数学と人間の活動)
- 高校の範囲外の発展内容(組合せ論)
最終更新:2026年10月11日/作成:大学受験合格大作戦


