この公式のポイント
- Γ(s+1)=sΓ(s)(部分積分)で、Γ(n+1)=n!
- Γ(21)=π はガウス積分から
- B(p,q)=Γ(p+q)Γ(p)Γ(q) はヤコビアン u の変数変換で示す
- 指数は 1 ずれるので注意

うかるくん
ガンマ関数って、階乗とどういう関係なの?
![合格先生]()
合格先生
部分積分で Γ(s+1)=sΓ(s) が出る。Γ(1)=1 からくり返すと Γ(n+1)=n!。階乗をなめらかにつないだ関数だ。
ガンマ関数・ベータ関数の公式
ガンマ関数は、階乗 n! を整数でない数にまで広げた関数です。ベータ関数は ∫01xa(1−x)bdx の形の積分で、ガンマ関数で表せます。
ガンマ関数とベータ関数
Γ(s)=∫0∞xs−1e−xdx(s>0)Γ(s+1)=sΓ(s),Γ(n+1)=n!,Γ(21)=πB(p,q)=∫01xp−1(1−x)q−1dx=Γ(p+q)Γ(p)Γ(q)(p,q>0)三角関数の形:B(p,q)=2∫02πsin2p−1θcos2q−1θdθ
y=Γ(x) は、整数のところで階乗の値を通る。Γ(21)=π
証明
① 収束(s>0 のとき)
0<x≤1 では 0<xs−1e−x≤xs−1 で、∫01xs−1dx=s1 は s>0 なら有限。x≥1 では、xs−1e−2x が有界(指数関数は多項式より速く小さくなる)なので xs−1e−x≤Ce−2x となり有限です。
② Γ(s+1)=sΓ(s)(部分積分)
Γ(s+1)=∫0∞xse−xdx=[−xse−x]0∞+s∫0∞xs−1e−xdx=sΓ(s)
s>0 なので x=0 でも x→∞ でも xse−x→0。Γ(1)=∫0∞e−xdx=1 から、Γ(n+1)=n⋅(n−1)⋯1⋅Γ(1)=n! です。
③ Γ(21)=π
x=t2(dx=2tdt)とおくと Γ(21)=∫0∞te−t22tdt=2∫0∞e−t2dt=π(ガウス積分)。
④ B(p,q)=Γ(p+q)Γ(p)Γ(q)
Γ(p)Γ(q)=∫0∞∫0∞xp−1yq−1e−(x+y)dxdy で、x=uv, y=u(1−v)(u>0, 0<v<1)と変数変換します。
∂(u,v)∂(x,y)=det(v1−vu−u)=−uv−u(1−v)=−u
∣J∣=u なので
Γ(p)Γ(q)=∫0∞up+q−1e−udu∫01vp−1(1−v)q−1dv=Γ(p+q)B(p,q)
(被積分関数が正なので、広義の重積分を累次積分に分けてよいことを使っています。)三角関数の形は、x=sin2θ(dx=2sinθcosθdθ)と置換すると出ます。
xs−1e−x の下の面積が Γ(s)=(s−1)!
大学院入試では
院試では、見た目のちがう積分を「ガンマ関数・ベータ関数の形」に置換して、一気に値を出す問題がよく出ます。
大学院入試例題1(ガンマ関数の形にする)
∫0∞x3e−2xdx を求めなさい。
解き方
t=2x とおくと x=2t, dx=2dt。
∫0∞8t3e−t2dt=161Γ(4)=163!=83。
一般に ∫0∞xne−axdx=an+1n! です。
答え 83
大学院入試例題2(半整数での値)
Γ(25) を求めなさい。
解き方
Γ(s+1)=sΓ(s) を2回使って Γ(25)=23Γ(23)=23⋅21Γ(21)=43π。
答え 43π
大学院入試例題3(ベータ関数)
∫01x2(1−x)3dx と
∫02πsin4θcos2θdθ を求めなさい。
解き方
1つめは B(3,4)=Γ(7)Γ(3)Γ(4)=6!2!3!=72012=601。
2つめは 2p−1=4, 2q−1=2 より p=25, q=23。21B(25,23)=21⋅Γ(4)Γ(25)Γ(23)=21⋅643π⋅21π=32π。
答え 601、32π
学部の授業とのつながり・院試での注意
- どの授業で習うか:大学1〜2年の微分積分学(広義積分)の応用として習います。確率統計(ガンマ分布・ベータ分布・カイ2乗分布)や物理(球の体積の一般化)でも使います。
- 答案で示すこと:①広義積分が収束する範囲(s>0、p,q>0)、②どの置換でガンマ・ベータの形にしたか、③Γ(s+1)=sΓ(s) の部分積分では、はしの項が 0 になる理由。
- よく出る形:∫0∞xne−axdx、∫0∞x2ne−x2dx(t=x2)、∫02πsinmθcosnθdθ(ウォリス積分の一般化)、B と Γ の関係の証明そのもの。
- スターリングの公式は、Γ(n+1)=n! の大きな n での近似です。
よくある間違い
![腕でバツを作る合格先生]()
合格先生
Γ(n)=n! ではない。正しくは Γ(n)=(n−1)! だ。1つずれるから気をつけよう。
- Γ(n)=n! と書く:正しくは Γ(n)=(n−1)!、Γ(n+1)=n!。1つずれます。
- ベータ関数の指数をそのまま入れる:∫01x2(1−x)3dx は B(2,3) ではなく B(3,4)。指数に 1 を足したものが p, q です。
- 三角関数の形で係数2を忘れる:∫02πsin2p−1θcos2q−1θdθ=21B(p,q) です。
練習問題
![ひらめいたサクラちゃん]()
サクラちゃん
指数に1を足して、p, q を決めればいいんだね!
- 大学院入試 Γ(27) を求めなさい。
答えと解説を見る
25⋅23⋅21π。答え 815π - 大学院入試 ∫01x3(1−x)4dx を求めなさい。
答えと解説を見る
B(4,5)=8!3!4!=40320144。答え 2801 - 大学院入試 ∫0∞x4e−x2dx を、t=x2 と置換してガンマ関数で求めなさい。
答えと解説を見る
x=t, dx=2tdt より ∫0∞t2e−t2tdt=21Γ(25)=21⋅43π。答え 83π
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よくある質問
ガンマ関数とは?
Γ(s)=∫_0^∞ x^(s−1) e^(−x) dx(s>0)で定める関数です。Γ(n+1)=n! となるので、階乗を整数でない数まで広げたものと考えられます。
Γ(1/2)=√π になるのはなぜ?
x=t² と置換すると 2∫_0^∞ e^(−t²) dt になり、これはガウス積分で √π です。
ベータ関数とガンマ関数の関係は?
B(p,q)=Γ(p)Γ(q)/Γ(p+q) です。Γ(p)Γ(q) を重積分にして x=uv, y=u(1−v) と変数変換すると示せます。
大学院入試ではどう使いますか?
∫x^n e^(−ax)dx や ∫sin^m θ cos^n θ dθ などを、置換してガンマ関数・ベータ関数の形にし、値を一気に求めるのに使います。
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出典・参考
最終更新:2026年10月11日/作成:大学受験合格大作戦