徒然草「名を聞くより」原文と現代語訳(印刷用・A4)

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原文は教科書で広く読まれる形に整えたもの(本によって語句が少しちがいます)、現代語訳は合格大作戦のオリジナルです。

原文現代語訳
1名を聞くより、やがて面影はおしはからるる心地するを、見る時は、また、かねて思ひつるままの顔したる人こそなけれ。(人の)名前を聞くとすぐに、その顔つきが自然と想像される気持ちがするのに、(実際に)会ってみると、前もって思っていたとおりの顔をしている人はいないものだ。
2昔物語を聞きても、このごろの人の家のそこほどにてぞありけんと覚え、昔の物語を聞いても、(その話の場所は)今の(あの)人の家のあのあたりであったのだろうと思われ、
3人も、今見る人の中に思ひよそへらるるは、誰もかく覚ゆるにや。(話に出てくる)人物も、今会っている人の中のだれかに自然となぞらえて思われるのは、だれでもこのように思うのであろうか。
4また、いかなる折ぞ、ただ今人の言ふことも、目に見ゆる物も、わが心のうちも、かかることのいつぞやありしがと覚えて、また、どういう時なのか、たった今人が言っていることも、目に見えている物も、自分の心の中(の思い)も、こんなことがいつだったかあったのだが、と思われて、
5いつとは思ひ出でねども、まさしくありし心地のするは、我ばかりかく思ふにや。いつのことだったとは思い出せないけれども、たしかにあったような気がするのは、自分だけがこう思うのであろうか。