徒然草「八つになりし年」原文と現代語訳(印刷用・A4)

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原文は教科書で広く読まれる形に整えたもの(本によって語句が少しちがいます)、現代語訳は合格大作戦のオリジナルです。

原文現代語訳
1八つになりし年、父に問ひていはく、「仏はいかなるものにか候ふらん。」と言ふ。父が言はく、「仏には人のなりたるなり。」と。(わたしが)八歳になった年、父にたずねて言うことには、「仏とはどのようなものでございましょうか。」と言う。父が言うことには、「仏には人がなったのだ。」と。
2また問ふ、「人は何として仏にはなり候ふやらん。」と。父また、「仏の教へによりてなるなり。」と答ふ。また(わたしが)たずねる、「人はどのようにして仏になったのでございましょうか。」と。父はまた、「仏の教えによって(仏に)なるのだ。」と答える。
3また問ふ、「教へ候ひける仏をば、何が教へ候ひける。」と。また答ふ、「それもまた、先の仏の教へによりてなりたまふなり。」と。また(わたしが)たずねる、「(人に)教えたその仏には、何が教えたのでございますか。」と。(父は)また答える、「それもまた、その前の仏の教えによって(仏に)おなりになったのだ。」と。
4また問ふ、「その教へ始め候ひける第一の仏は、いかなる仏にか候ひける。」と言ふ時、また(わたしが)たずねる、「その(いちばん最初に)教え始めた第一の仏は、どのような仏でございましたか。」と言った時、
5父、「空よりや降りけん、土よりや湧きけん。」と言ひて笑ふ。父は、「空から降ってきたのだろうか、土からわいて出たのだろうか。」と言って笑う。
6「問ひつめられて、え答へずなり侍りつ。」と諸人に語りて興じき。(父は)「(子に)問いつめられて、答えられなくなってしまいました。」と大勢の人に話して、おもしろがった。