竹取物語「なよ竹のかぐや姫」原文と現代語訳(印刷用・A4)

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原文は國民文庫本をもとに教科書の形に整えたもの、現代語訳は合格大作戦のオリジナルです。

原文現代語訳
1今は昔、竹取の翁といふものありけり。今ではもう昔のことだが、竹取の翁という者がいたそうだ。
2野山にまじりて竹を取りつつ、よろづのことに使ひけり。名をば、さぬきの造となむいひける。野や山に分け入って竹を取っては、いろいろなことに使っていた。名前を、さぬきの造といった。
3その竹の中に、もと光る竹なむ一筋ありける。あやしがりて寄りて見るに、筒の中光りたり。それを見れば、三寸ばかりなる人、いとうつくしうてゐたり。その竹の中に、根もとの光る竹が一本あった。不思議に思って近寄って見ると、筒の中が光っている。それを見ると、三寸(約9センチ)ほどの人が、とてもかわいらしい様子で座っている。
4翁言ふやう、「我、朝ごと夕ごとに見る竹の中におはするにて、知りぬ。子となりたまふべき人なめり。」とて、手にうち入れて家へ持ちて来ぬ。翁が言うことには、「わたしが毎朝毎晩見ている竹の中にいらっしゃるので、わかった。(わたしの)子におなりになるはずの人であるようだ。」と言って、手の中に入れて家へ持って帰ってきた。
5妻の嫗に預けて養はす。うつくしきことかぎりなし。いと幼ければ、籠に入れて養ふ。妻のおばあさんに預けて育てさせる。かわいらしいことこの上ない。とても小さいので、籠に入れて育てる。
6竹取の翁、竹を取るに、この子を見つけて後に竹取るに、節を隔ててよごとに金ある竹を見つくること重なりぬ。かくて翁やうやう豊かになりゆく。竹取の翁が竹を取ると、この子を見つけてから後に竹を取ると、節と節の間の空洞ごとに黄金が入っている竹を見つけることが重なった。こうして翁はだんだんお金持ちになっていく。
7この児、養ふほどに、すくすくと大きになりまさる。三月ばかりになるほどに、よきほどなる人になりぬれば、髪上げなどさうして、髪上げさせ、裳着す。帳の内よりも出ださず、いつき養ふ。この子は、育てるうちに、すくすくと大きくなっていく。三か月ほどたつころに、一人前の大きさの人になったので、髪上げの儀式などあれこれ手配して、髪を結い上げさせ、裳を着せる(成人の儀式をする)。几帳の中からも外に出さず、大切に育てる。
8この児のかたちけうらなること世になく、屋の内は暗き所なく光満ちたり。翁、心地悪しく苦しき時も、この子を見れば苦しきこともやみぬ。腹立たしきことも慰みけり。この子の顔立ちの美しいことは世に比べるものがなく、家の中は暗い所がなく光が満ちている。翁は、気分が悪く苦しい時も、この子を見ると苦しさもおさまってしまう。腹立たしいことも気が晴れた。
9翁、竹を取ること久しくなりぬ。勢ひ猛の者になりにけり。翁は、(黄金の入った)竹を取ることが長く続いた。(そして)勢いの盛んな大金持ちになった。
10この子いと大きになりぬれば、名を、三室戸斎部のあきたを呼びてつけさす。あきた、なよ竹のかぐや姫とつけつ。このほど三日、うちあげ遊ぶ。よろづの遊びをぞしける。男はうけきらはず呼び集へて、いとかしこく遊ぶ。この子がたいそう大きくなったので、名前を、三室戸斎部のあきたを呼んでつけさせる。あきたは「なよ竹のかぐや姫」と名づけた。このとき三日間、盛大に宴会をする。あらゆる遊びをした。男たちを分けへだてなく呼び集めて、たいへん盛大に宴会をする。