平均の速さの求め方|往復の平均は2ab/(a+b)・速さの平均にならない理由(面積図)と例題【中学受験〜高校受験】

平均の速さの求め方|往復の平均は2ab/(a+b)・速さの平均にならない理由(面積図)と例題【中学受験〜高校受験】

合格大作戦 算数・数学公式辞典 › 割合・比

中学受験高校受験

平均の速さ=全体の道のり全体の時間\text{平均の速さ}=\frac{\text{全体の道のり}}{\text{全体の時間}}

往復なら 2aba+b\dfrac{2ab}{a+b}(a+b2\dfrac{a+b}{2} ではない)

この公式のポイント

  • 平均の速さ=全体の道のり÷全体の時間
  • 往復の平均は 2aba+b\dfrac{2ab}{a+b}(調和平均)
  • 遅いほうが時間が長いので、ふつうの平均より小さい
  • 同じ時間ずつなら、ふつうの平均でよい
うかるくん

うかるくん

行きが60、帰りが40の速さなら、平均の速さは50じゃないの?

合格先生

合格先生

全体の道のり÷全体の時間で求めるんだ。遅いほうが時間が長いから、ふつうの平均より小さくなるぞ。

平均の速さの公式

途中で速さが変わるとき、全体を通した平均の速さは、全体の道のりを全体の時間でわって求めます。速さどうしを足して2でわる(ふつうの平均)のはまちがいです。

平均の速さ

平均の速さ=全体の道のり全体の時間\text{平均の速さ}=\frac{\text{全体の道のり}}{\text{全体の時間}}

同じ道を行きは速さ aa、帰りは速さ bb で往復したとき

往復の平均の速さ=2aba+b(ふつうの平均 a+b2 ではない)\text{往復の平均の速さ}=\frac{2ab}{a+b}\quad\left(\text{ふつうの平均 }\frac{a+b}{2}\text{ ではない}\right)
123451200(km)(時間)行き 時速60帰り 時速402時間3時間240 km ÷ 5 時間 = 時速 48 km(50 ではない)
120 km を行き時速60 km(2時間)、帰り時速40 km(3時間)。往復の平均は時速48 km

証明(なぜ速さの平均ではないのか)

往復の平均の速さ=2ab/(a+b)

片道の道のりを dd とします。行きにかかる時間は da\dfrac da、帰りは db\dfrac db(時間=道のり÷速さ)。全体の道のりは 2d2d なので

平均の速さ=2dda+db=21a+1b=2aba+b\text{平均の速さ}=\frac{2d}{\dfrac da+\dfrac db}=\frac{2}{\dfrac1a+\dfrac1b}=\frac{2ab}{a+b}

dd が消えるので、片道の道のりに関係なく決まります。この形を aa と bb の調和平均といいます(「速さの逆数」の平均の逆数)。

速さの平均にならない理由

486040速さ(時速 km)60×2=12040×3=1202時間3時間面積(道のり)240 を横 5 時間でならすと高さ 48
面積図:たて=速さ、横=時間、面積=道のり。遅い時速40 km のほうが横に長い

上の面積図で、たてが速さ、横が時間、面積が道のりです。往復では道のり(面積)は同じでも、遅いほうが時間(横の長さ)が長い。平均の速さは「面積の合計を横の長さの合計でならした高さ」なので、長く続いた遅いほうに引っぱられて、a+b2\dfrac{a+b}{2} より小さくなります(平均算の面積図と同じ考え方)。

式でも確かめられます。

a+b2−2aba+b=(a+b)2−4ab2(a+b)=(a−b)22(a+b)≧0\frac{a+b}{2}-\frac{2ab}{a+b}=\frac{(a+b)^2-4ab}{2(a+b)}=\frac{(a-b)^2}{2(a+b)}\geqq0

だから往復の平均の速さは、いつもふつうの平均以下。等しくなるのは a=ba=b のときだけです(相加平均と相乗平均の仲間の不等式)。

逆に、同じ時間ずつ走ったときは、横の長さが同じなので平均の速さは a+b2\dfrac{a+b}{2}(ふつうの平均)になります。「道のりが同じ」か「時間が同じ」かで答えが変わります。

中学受験(算数)での使い方

中学受験

例題1(往復の平均の速さ)

A町から B町まで 120 km の道を、行きは時速 60 km、帰りは時速 40 km で往復しました。往復の平均の速さは時速何 km ですか。

解き方

行きは 120÷60=2120\div60=2 時間、帰りは 120÷40=3120\div40=3 時間。往復 240240 km を 55 時間なので、240÷5=48240\div5=48。

(公式でも 2×60×4060+40=48\dfrac{2\times60\times40}{60+40}=48。)

答え 時速 48 km

中学受験

例題2(道のりがわからない)

坂道を、上りは分速 30 m、下りは分速 70 m で往復しました。往復の平均の速さは分速何 m ですか。

解き方

片道の道のりを 30 と 70 の最小公倍数 2100 m と仮に決めます。上り 70 分、下り 30 分で、往復 4200 m を 100 分。4200÷100=424200\div100=42。

道のりをどう決めても答えは同じです(公式 2×30×70100=42\dfrac{2\times30\times70}{100}=42)。

答え 分速 42 m

高校受験(中学数学)での使い方

高校受験

例題3(帰りの速さを求める)

行きは時速 4 km、帰りは時速 xx km で同じ道を往復したところ、往復の平均の速さが時速 4.8 km でした。xx を求めなさい。

解き方

片道を dd km とすると、2dd4+dx=4.8\dfrac{2d}{\dfrac d4+\dfrac dx}=4.8。dd を消すと 8x4+x=4.8\dfrac{8x}{4+x}=4.8。

8x=19.2+4.8x8x=19.2+4.8x、3.2x=19.23.2x=19.2、x=6x=6。確かめ:2×4×610=4.8\dfrac{2\times4\times6}{10}=4.8。

答え x=6x=6

コラム:平均を時速60 kmにできない話

「行きを時速 30 km で走ってしまった。帰りをどれだけ速くすれば、往復の平均を時速 60 km にできるか」という有名な問題があります。片道 dd km なら、平均時速 60 km の往復は 2d60=d30\dfrac{2d}{60}=\dfrac{d}{30} 時間で終わる必要があります。ところが行きだけで d30\dfrac{d}{30} 時間使っているので、帰りに使える時間は0。どんなに速くしても届きません。

よくある間違い

腕でバツを作る合格先生

合格先生

往復なら 2aba+b\dfrac{2ab}{a+b}、同じ時間ずつなら a+b2\dfrac{a+b}{2}。何が同じか見落とすな。

  • 速さを足して2でわる:60+402=50\dfrac{60+40}{2}=50 はまちがい。全体の道のり÷全体の時間で求めます。
  • 道のりと時間のどちらが同じかを見落とす:往復(道のりが同じ)なら 2aba+b\dfrac{2ab}{a+b}、同じ時間ずつ走ったなら a+b2\dfrac{a+b}{2}。
  • 単位をそろえない:分速と時速、m と km がまざっていたら先にそろえます。

練習問題

ひらめいたうかるくん

うかるくん

往復なら 2aba+b\dfrac{2ab}{a+b} の調和平均だね。

  1. 中学受験 同じ道を、行きは時速 6 km、帰りは時速 3 km で往復しました。往復の平均の速さは?
    答えと解説を見る片道 6 km とすると、行き 1 時間・帰り 2 時間で 12 km を 3 時間。12÷3=412\div3=4。答え 時速 4 km
  2. 中学受験 はじめの 30 分を時速 6 km、次の 30 分を時速 10 km で歩きました。全体の平均の速さは?
    答えと解説を見る道のりは 3+5=83+5=8 km、時間は 1 時間。答え 時速 8 km(時間が同じなのでふつうの平均と同じ)
  3. 高校受験 同じ道を、行きは時速 50 km、帰りは時速 75 km で往復しました。往復の平均の速さは?
    答えと解説を見る2×50×7550+75=7500125=60\dfrac{2\times50\times75}{50+75}=\dfrac{7500}{125}=60。答え 時速 60 km

関連する公式

よくある質問

平均の速さの求め方は?

全体の道のりを全体の時間でわります。速さどうしを足して2でわるのはまちがいです。

行き時速60km、帰り時速40kmの往復の平均の速さは?

時速48kmです。たとえば片道120kmなら、往復240kmを2時間+3時間=5時間で走るので240÷5=48です。

なぜ往復の平均の速さは速さの平均にならないのですか?

遅い速さで走る時間のほうが長いので、平均が遅いほうに引っぱられるからです。往復の平均は2ab/(a+b)になります。

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出典・参考

  • 文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 算数編」(速さは第5学年)

最終更新:2026年10月11日/作成:大学受験合格大作戦