この記事の結論
- 日本史の勉強法は、①まず知識を固める → ②流れをつかむ → ③なぜそうなったかのプロセスを理解し、アウトプット(説明・論述)できるようになる、の3段階で進めます。
- 高2なら、まず全範囲に目を通し、教科書とノートで知識を固めます。論述のある大学(東大・京大など)を目ざすなら、赤本に入る前に論述の考え方を学ぶ本を1冊やっておきましょう。
この記事は2011年9月に、高校2年生の読者から届いた日本史の相談に答えて書いたものです。当時のセンター試験は2021年から大学入学共通テスト(共通テスト)に変わり、2025年1月からは新しい教育課程(新課程)の試験になりました。2026年10月に、元の相談と答えはそのまま残し、今の科目名や入試に合わせて書き足しました。
日本史 勉強法の相談:高2で偏差値65から
生活習慣さんから
「日本史の受験勉強のしかたを教えてください。いま高2で、全国規模の模試で偏差値65程です。」
という相談を受けました。
文系・理系の区別。学校の進度。志望校がわかりませんが、全国規模の模試で偏差値65ということで上位国公立・私大を受験するものとして話を進めていきます。学校の勉強についていくというスタンスではなく、受験を見据えたスタンスでアドバイスします。
日本史担当の先生からのアドバイスを参考にしつつ、日本史の勉強法をまとめます。
あくまでも一例ですので、参考にできるところだけ取り入れてください。
日本史の勉強法は3段階:知識→流れ→プロセス
先に結論を書いておきます。日本史の勉強法は、次の3つの段階で考えます。
- まず知識を固める
- 流れをつかむ
- なぜそうなったかのプロセスを理解し、アウトプットできるようになる
①の「知識」は、人物・出来事・用語を正しく言えること。②の「流れ」は、それらを時代の順につなげて、前後の関係が分かること。③の「プロセス」は、「なぜその出来事が起きたのか」「その結果どうなったのか」を、自分の言葉で説明できることです。
共通テストのマーク式でも、私立大学の問題でも、国公立大学の論述でも、この3段階は同じです。ちがうのは、どの段まで深く求められるか。論述のある大学ほど、③の力が点数を左右します。
日本史 共通テストの科目:歴史総合,日本史探究
元の記事を書いた2011年当時、高校の日本史は「日本史A」「日本史B」の2つで、受験に使うのは主に範囲の広い日本史Bでした。今の高校では、2022年度に入学した生徒から新しい学習指導要領(高等学校学習指導要領、平成30年告示)が始まり、歴史の科目が次のように変わりました。
- 歴史総合(必修):日本と世界の近現代の歴史をいっしょに学ぶ科目。
- 日本史探究(選択):原始・古代から現代までの日本の歴史を深く学ぶ科目。昔の日本史Bにあたります。
共通テストの科目名は『歴史総合,日本史探究』で、60分・100点です。歴史総合と日本史探究の両方が出題範囲なので、明治以降の日本を、同じころの世界の動きと結びつけて覚えておきましょう。2027年(令和9年度)の共通テストは1月16日(土)・17日(日)で、地理歴史・公民は1日目の最初の試験です。時間割は「2027年 共通テストの時間割」、本番までの日数は「共通テストのカウントダウン【2027年】」で確かめてください。
2次試験では、たとえば東京大学(東大)の文科は、地理歴史を日本史探究・世界史探究・地理探究から2科目選び、2科目で150分・120点です(東大の入口の記事「東大受験の全体像」)。京都大学(京大)の文系学部の個別試験でも地歴が課され、素点は100点です。学部別の配点は「京都大学の学部別 配点一覧」を見てください。
日本史合格作戦会議:まず全範囲に目を通す
日本史の勉強方法、進度は高校により大きな差があります。中高一貫校とそうでない高校でも差があります。高校2年生ですと、日本史の全範囲が終わっていない可能性があります。
全範囲が終わっていなければ、まず日本史の全範囲に目を通しましょう。
目を通すときに大事なのは、細かい用語を覚えることより、時代の名前を順番に言えるようになることです。縄文・弥生から令和まで、時代の名前が頭の中で1本の線になっていれば、あとで覚える知識をどこに置けばよいかが分かります。
図3の目印のうち、鎌倉幕府がいつ成立したかには、1185年説・1192年説などいくつかの考え方があります(諸説あり)。教科書の説明の仕方も、「いつ何ができたか」より「どのように武士の政権が形になっていったか」を重く見るようになっています。年号は覚えやすい目印として使い、中身の流れで理解しましょう。
日本史 参考書:教科書・書きこみ教科書・ノート
全範囲の勉強が終わっていても
基本となるのは、山川出版の日本史教科書です。教科書だけでは学習しにくいので
を利用して基本的な知識をしっかり覚え、日本史の流れをつかみます。
上の書名は2011年当時の「日本史B」用のものです。今は学校で使う教科書が「日本史探究」用に変わっています。買うときは、自分の学校の教科書に合った版(日本史探究用)があるかどうかを、書店や出版社のサイトで確かめてください。学校で教科書が山川出版社のものでない場合も、まずは自分の学校の教科書を軸にするのが近道です。
書きこみ教科書とノートの使い方
- 教科書を読む:太字だけでなく、前後の文(なぜ起きたか・どうなったか)に線を引きます。
- 空らんをうめる:読んだ範囲を、その日のうちに書きこみ教科書やノートでうめます。
- まちがいに印:うめられなかった所に印をつけ、1週間後にもう一度うめます。
- 1か所に集める:問題集や模試で知らなかったことも、同じノートに書き足します。
ノートのまとめ方のコツは「東大合格生のノートはかならず美しい」でも図で紹介しています。歴代の総理大臣のように、順番そのものを覚える所は「日本の歴代総理大臣をゴロあわせで丸暗記」のようなゴロあわせも役に立ちます。
日本史 流れをつかむ参考書:実況中継
もっとざっくりと日本史の流れをつかみたい場合は「日本史実況中継」がお勧めです。
日本史実況中継は解りやすいのですが日本史の全範囲を網羅しているとは言い難いので、あくまでも流れをつかむために利用しましょう。
今は新課程に合わせた『日本史探究授業の実況中継』(石川晶康)が出ています。通史は全4巻で、テーマ史の巻もあります。講義の形で話が進むので、学校の授業が遅れている人が自分で先に進むのにも向いています。
ただし、実況中継で分かったことも、最後は教科書とノートに書き足しておきましょう。実況中継は「読んで分かる」本、教科書とノートは「覚えて点にする」本、と役わりを分けると迷いません。
うかるくん
実況中継って読みやすいから、教科書はやめてこっちだけにしてもいいですか?
合格先生
それはおすすめしないな。元の記事にもあるとおり、実況中継は全範囲を網羅しているとは言い難い。流れをつかむために使って、知識の土台は教科書とノートに置こう。
うかるくん
読むのは実況中継、覚えるのは教科書とノート。役わり分担ですね!
日本史 タテとヨコ:時代と分野で整理する
流れがつかめてきたら、次は分野で見直します。日本史の出来事は、だいたい「政治」「外交」「社会経済」「文化」の4つの分野に分けられます。時代をタテ、分野をヨコにしたマス目を頭に入れておくと、知識がばらばらになりません。
たとえば「外交」の行を横に読むと、遣唐使→元寇→朝鮮通信使→条約改正と、日本が外国とどう付き合ってきたかの流れになります。論述では「〇〇時代から〇〇時代にかけての外交の変化を述べよ」のように、横の流れ(テーマ史)を問う問題がよく出ます。反対に、たての列を読むと、その時代の政治・外交・経済・文化がどうつながっていたかが見えます。
文化史は、ほかの教科とつなげると覚えやすくなります。平安時代の国風文化なら、かな文字の文学や和歌が中心です。「百人一首」の歌人や「古文文法辞典」で読む作品の時代を日本史の年表に置いてみると、国語と日本史が同時に強くなります。歴史用語は漢字で書けることも大事なので、書きまちがえやすい字は「漢字合格大作戦」で確かめておきましょう。
日本史 論述の勉強法:東大・京大をめざすなら
そして東大・京大など(特に国公立)日本史の論述が出題される大学を目指すのであれば、必ず"考える"日本史論述―「覚える」から「理解する」へをやっておきましょう。
論述の思考プロセスを学ぶのに大変役立つ良書です。
赤本や予想問題を解き始めるまでに是非やっておいてください。
東大・京大ほど思考力を要する論述問題が出題される大学を受けないのであれば
がお勧めです。
知識を深めるのに役立ちます。それほど難しくない入試問題ならこれで乗り切れます。
高校3年生になったら、「日本史論述のトレーニング」で日本史論述の演習を重ねましょう。
この本が難しいようであれば、"考える"日本史論述―「覚える」から「理解する」へに立ち返りましょう。
ここに挙げた論述の本の書名も2011年当時のものです。今は新課程に合わせて改訂されたり、書名が変わったりしていることがあるので、書店で今の版を確かめてから選んでください。
論述の答案は「問い→要素→つながり→文」
論述の答案は、いきなり書き始めないことが大切です。
- 問いを読む:「いつからいつまで」「何について」「何を答えるか(変化・理由・影響)」に線を引きます。
- 要素を書き出す:関係するキーワードを、図4のマス目を思い出しながら並べます。
- つながりを矢印で結ぶ:原因→結果の順に並べ、「なぜ」がつながっているか確かめます。
- 文にする:字数に合わせて、主語と述語がはっきりした文で書きます。
これは勉強法の③「プロセスを理解しアウトプットできるようになる」そのものです。書いた答案は、学校の先生に見てもらうのがいちばんです。論述の練習のしかたは、世界史の記事「世界史の勉強法(私大・2次試験編)」でも、論述と私大の問題のちがいを図にしています。日本史と世界史の両方を選ぶ人は、あわせて読んでください。

合格先生
論述は「知っていることを全部書く」のではなく、問いに答える順に、原因と結果をつなげて書くこと。だから、赤本の前に考え方を学ぶ1冊が効くんだ。
日本史 高2から高3の計画
ここまでの話を、高2から本番までの計画にまとめると図6のようになります。
自分の実力や志望校に合わせた勉強法をすることが重要です。背伸びしすぎて難しすぎる参考書や問題に手をつけても時間の無駄になりますのでご注意を。
高校2年生でしたら、がんばり次第でどの大学も目指せますので早めに志望校を確定させることが重要です。志望校が決まれば、論述が要るのか、共通テストだけなのか、私立大学の細かい知識が要るのかが決まり、使う本と計画も決まります。志望校の決め方と、配点から目標点を立てる方法は「京大合格作戦の立て方」「東大合格の戦略の立て方」に書いています。
サクラちゃん
高3の秋に、まだ全範囲が終わっていなかったらどうしたらいいですか?
合格先生
まずは全範囲に目を通すことが先だ。実況中継のような読みやすい本で流れを一周してから、教科書とノートで知識を固めよう。直前期に新しい本を増やさないことも大事だよ。
サクラちゃん
一周して、穴を教科書とノートでうめる。順番を守ります!
直前期の教材の絞り方は「入試直前期の勉強法」にまとめています。
日本史 共通テスト対策:理系で共通テストだけの人
理系で日本史はセンター試験だけでいいという方は「日本史のセンター試験対策」にまとめていきたいと思います。(元の記事を書いた2011年当時の予告です。今のセンター試験は共通テストです。)
共通テストだけで日本史を使う人も、勉強法の①②はそのまま使えます。今の共通テストは、史料(昔の文章)・地図・グラフ・会話文を読み取る問題が多く、知識だけでなく資料を読む力も問われます。教科書の史料や図版を、本文といっしょに読む習慣をつけておきましょう。
- 共通テストの勉強法の全体像(高1〜高3でいつ何をするか)は「共通テストの勉強法」へ。
- 過去問の使い方(センター試験の過去問は今も使えるか)は「センター試験過去問題」へ。
- 同じ地理歴史の勉強法は「世界史の勉強法【基礎編】」「世界史の勉強法その2【共通テスト対策】」「地理の勉強法【基礎編】」へ。
歴史の出来事は、身近な記念日から入ると覚えやすいこともあります。1964年の東京オリンピックの開会式の話は「10月10日は何の日?」に書いています。

サクラちゃん
知識を固めて、流れをつかんで、なぜを説明できるように。3段の階段を1段ずつのぼればいいんだね!
日本史の勉強法 まとめ
日本史の勉強法
①まず知識を固める
②流れをつかむ
③なぜそうなったかのプロセスを理解しアウトプットできるようになる
勉強の進め方で迷ったら「受験の質問・相談」から気軽に聞いてください。
よくある質問
日本史の勉強は何から始めればいいですか?
まず全範囲に目を通して、時代の名前を順に言えるようにします。そのあと教科書とノートで知識を固め、流れをつかみ、なぜそうなったかを説明できるようにします。
共通テストの日本史の科目名は何ですか?
2025年からの新課程では『歴史総合,日本史探究』です。歴史総合と日本史探究の両方が出題範囲で、試験時間は60分、配点は100点です。
日本史実況中継だけで勉強してもいいですか?
流れをつかむのには向いていますが、全範囲を網羅しているとは言い難いので、知識は教科書とノートで固めます。今は日本史探究版の実況中継も出ています。
日本史の論述対策はいつから始めればいいですか?
論述のある大学をめざすなら、赤本や予想問題を解き始める前に、論述の考え方を学ぶ本を1冊やっておきます。高3では論述の演習を重ねます。
高2で日本史の全範囲が終わっていません。どうすればいいですか?
学校の進度を待たず、読みやすい講義形式の本などで全範囲に目を通しておきます。授業は2回目の復習と考え、教科書とノートで知識を固めます。
あわせて読みたい
- 世界史の勉強法(私大・2次試験編)
- 世界史の勉強法その2【共通テスト対策】
- 共通テストの勉強法:高1〜高3でいつ何をするか
- 日本の歴代総理大臣をゴロあわせで丸暗記
- 京都大学の学部別 配点一覧
- 共通テスト掲示板(100点BBS)
出典・参考
- 大学入試センター「令和9年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト実施要項」・「出題教科・科目の出題方法等」(日程・地理歴史の科目と配点)
- 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)」(歴史総合・日本史探究)
- 東京大学「入学者選抜要項」(文科の地理歴史の科目・時間・配点)、京都大学「入学者選抜要項」(学部別の配点)
- 時代の流れ・分野のマス目・計画の図は大学受験合格大作戦が作成(年号・用語は教科書に載る一般的なもの)
最終更新:2026年10月22日/作成:大学受験合格大作戦












